クリスマスイブの夜に
こんにちは。Kiyotechです。
今年も残すところ後わずかとなりました。
今日はこの時期になると思い出す、とても悲しい出来事を書きたいと思います。
担当の工事で
今から20年ほど前のこと。
当時、X市内のQ下水処理場にて高圧受変電設備の更新工事を行っていました。
Q下水処理場は特高22kV受電、契約電力約4300kWの事業所です。
受電した電気は構内の特高受変電設備で22kVから3kVにてい降し、場内5箇所の高圧電気室に配電していました。
その5箇所のうちの1箇所であるポンプ棟で、高圧受変電設備の更新工事を行っていたところです。
工事は施工の効率化とコスト削減のため、既設高圧受電盤1式を別の場所に仮設置して、新設盤設置までの間、高圧受電を継続するといったものでした。
工事の施工管理担当は私。
そして、Q下水処理場の選任電気主任技術者も私。
ここで、予期しなかった不幸が待ち構えていたのです。
帰宅後の電話
その日は12月24日金曜日であったと記憶しています。
当日の工事予定は順調に終わり、夕刻には予定どおり構内の片付けをし、充電部の養生を終え、私は現場を後にしました。
定時を過ぎていたので私は上司に直帰する旨、電話連絡をし帰途につきました。
帰宅するとテーブルにローストチキンなどを並べ、家内と子どもたちは何やらはしゃいでいます。
そう、クリスマスイブの夜です。
自然と私も楽しい気分になってきました。
ところが、そこで私の携帯電話が鳴ったのです。
まさかの停電
電話は、Q下水処理場の夜勤担当者からでした。
(ちなみに、Q下水処理場は5組3交代制で24時間操業です。)
担当者「もしもし、ポンプ棟が停電しました!」
私「中央監視室に何か警報表示は出ていませんか?」
担「ポンプ棟地絡、です。」
私「すぐにポンプ棟を見てきてくれませんか。臭いとかも。」
そして数分後、折返しの連絡が来ました。
担「ポンプ棟を見てきました。真っ暗で、油の焦げたような臭いが…」
私「わかりました。すぐにそちらへ向かいます!」
そう言って上司に電話で状況を伝え、工事の現場代理人さんにも連絡。
私は帰ったばかりの家から折り返す形で、再びQ下水処理場へと電車で向かいました。
地絡事故の原因
Q下水処理場に到着後、私は事務室に置いていたヘルメットを取り、そのままポンプ棟の方へ向かいました。
ポンプ棟にはすでに工事の現場代理人さんと夜勤担当の責任者が到着していました。
その現場代理人さん、私の顔を見るなり申し訳無さそうに、
「すいません…、猫でした。」
やっぱり!
私の予想は当たりました。
地絡事故、油が焦げたような臭い、これはきっと「小動物」だ、と。
反省と教訓
その「小動物」はなんと仮設高圧受電盤下部のケーブル引き込み開口部から盤内に入り込み、内部の高圧母線に接触する形でお亡くなりになっていました。
外の寒さから暖を求めて盤内に入ったのでしょうか。
それ以上の推測は無用かと思います。
何より、私は「確認したはず」のケーブル引き込み開口部の閉塞養生ができていなかったことを見過ごしていたのです!
見落としか、思い込みか、それをいくら反省したところで始まりません。
ただ、人身事故に至らなかったこと、商用系統への波及がなかったことが本当に救いだったか…
ともあれ、施工管理の担当者としてはもとより、電気主任技術者である自分としては許されないミスでした。
現場の後始末を終え、顛末を上司に電話にて報告した後、家路についたのは日付が変わる少し前だったと思います。
わが家に帰り着いた私は、リビングのテーブルにあった私のために残しておいてくれたのであろうローストチキンを眺め、改めて自分の未熟さを反省したクリスマスイブでした。

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