「技術者資格」と「士業資格」の違い
こんにちは。Kiyotechです。
資格の価値は、名前や序列で決まるものではありません。
技術士を目指した過程で、私はそのことを強く実感しました。
士業資格が示すもの ― 業務と権限の証明
一般に「士業」と呼ばれる資格の多くは、弁護士、税理士、行政書士などに代表されるように、法律で業務範囲が定められ、その資格がなければできない仕事を担います。
そこでは、「この資格を持っているから、この業務ができる」という権限の裏付けが極めて重要です。
社会にとって必要な制度であり、一定の知識と倫理を備えた専門家を担保する仕組みとして、士業資格は大きな役割を果たしています。
一方で、その価値はどうしても「何ができるか」「どの業務を独占しているか」といった外形的な分かりやすさで語られがちではないでしょうか。

技術者資格が問うもの ― 判断と責任
それに対して、技術者資格、とりわけ技術士は少し性格が異なります。
技術士は、「この資格がなければできない業務」が明確に定められているわけではありません。
それでも技術士に求められるのは、高度な専門知識を背景に、自ら判断し、その結果に責任を持つこと。
設計条件は妥当か。安全側の判断になっているか。
社会や環境への影響をどう考えるか。
こうした問いに対して、「技術者としてどう答えるか」を常に突きつけられるのが、技術士という資格だと感じています。
つまり技術士は、権限を与えられる資格というより、覚悟を問われる資格なのだと思います。

肩書きではなく、立ち位置の違い
士業資格と技術者資格の決定的な違いは、資格が示すものの向きにあるのでしょう。
士業資格は、「あなたはこの業務を担える専門家です」と社会に示す看板であり、技術者資格、とりわけ技術士は、
「あなたは技術者として、どう考え、どう責任を負うのですか」と自分自身に問い続ける軸です。
私は、電気主任技術者として現場を支えてきましたが、評価されない経験を通して、肩書きだけでは測れない技術者の在り方があることを知りました。
だからこそ技術士を目指しました。
それは、何者かと名乗るためではなく、自分の立ち位置を、自分で引き受けるためだったのだと思います。
これから技術士を目指す方は、ぜひ「資格を取る」その先にある、技術者としてどう在るかを見据えて歩んで下さい。
技術士は、単なる称号ではなく、その問いを生涯持ち続ける覚悟の証なのです。

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